2018年4月20日金曜日

pitta



ピッタタイプの養生法
ピッタタイプの特徴

体格は中肉中背。消化力と代謝がいいので、何でも食べられます。血液循環もよく、手足が温かく冷え知らず。

ただし胃酸過多の気があるので炎症や皮膚のトラブルが多く、脂っこいものを食べると下痢になりやすいです。
アルコールを摂取しなくても肝臓に問題が起きやすく、それにともなって視力が弱かったり、充血しやすかったり、光に過敏だったり、目に問題を抱える傾向があります。

免疫力が高いので病気になりにくいのですが、強い意志の力がつい体力の限界を超えてしまいがち。過労には注意しましょう。

目標を定めてゴールをめざすタイプです。リラクゼーションやスポーツでさえ目的なしには行いません。金銭欲より名誉欲、支配欲、知識欲の方が強く、責任や権威のある地位を好み、よほど尊敬できる人でなければ他人に従うことや仕えることは良しとしません。

ピッタが増えると攻撃的で支配的になりやすく、フラストレーションがたまり、怒り、イライラ、嫉妬などの火のような感情に支配されやすくなります。ただし感情表現は苦手です。

仕事にのめり込み過ぎて体を壊さないように、気晴らしになるような趣味を持つことをおすすめします。恋愛関係においても主導権を握りたがる傾向があります。
経営者、指導者、教師、精神科医、サイコセラピストなどの職業に向いています。


パート1 規則正しい生活

あなたがどの体質であっても、全ての人にヴァータの質は含まれています。乱れやすいヴァータのバランスをとるためには規則正しい生活が必要です。残念ながらほとんどの人は規則正しい生活がどれだけ効果がありかつ重要であるかをわかっていません。

ヴァータはとても繊細で変化しやすいので、忙しい日常生活にストレスを受けると、不安、神経質、焦燥という症状――ヴァータ作用を引き起こします。

交感神経は一度刺激されると休む必要があります。ヴァータはせっかく休んでいる体を無理やり躍りに誘うようなエネルギーです。過剰な刺激を受けたあとは、ゆったりしたリズムに戻す必要があります。

そのためには規則正しい日常生活を送ることがとても有効です。
毎日なるべく同じ時間に起床すること、そして就寝すること。なるべく同じ時間に、食事、休息、排泄を行うこと。

毎日同じ時間に同じことをすると、体がそのための準備をするようになります。毎日決まった時間に食事をとるようにすると、インシュリン・グルカゴンのバランスとアグニ(消化・代謝の炎)を整えるのに役立ちます。毎日同じ時間に運動すると、より効果的です。

私たちの体はこのちょっとした、しかしパワフルな習慣を歓迎することでしょう。時間に縛られて融通がきかなくなると頭は考えるでしょうが、もっと柔軟で健康な生活が待っています。

規則正しさはヴァータの乾いた車輪を潤滑にするオイルです。ヴァータは動きです。すべての変化はヴァータの要素を伴っているので、ヴァータを整えることはピッタとカパを元に戻しバランスをとるのに役立ちます。

ですから、ヴァータを整えるためにも規則正しい生活が求められるのです。健康のためには、最も大切なことなのです。

まずは、初めの何週間かのスケジュールを書き出してみましょう。しばらくすると、実はとても簡単で健康的な習慣だと実感するはずです。

次にあげる事柄は、ヴァータとカパの作用を高めることでピッタの作用を沈めます。これらの実践は一般的に消化機能を冷やす効果があります。

ピッタには落ち着いてゆったりすることが必要です。ピッタの作用は早くて強い代謝へ向かうという傾向があります。


●白湯を飲む習慣。 アマや毒素がたまっていない限り、ピッタにとって体温を上げることは一般的によくありません。寒い季節に、30分ごとに少量の白湯を飲むことは、穏やかに毒だしするのに役立ちます。ただし、熱湯にしないように。また、この湯飲の養生法は毒だしが必要なときだけにしましょう。

●涼しくしておく。 ピッタの性質は熱です。ピッタは涼しく静かにして、温度的にも感情的にもオーバーヒートを避ける必要があります。ピッタタイプは熱くなってはならないのです。

●節度を保つ。 ピッタのバランスをとるカギは何でもほどほどにしておくことです。自分の限界を超えて、回復できる許容範囲を超えるまで自分を押しやるときに、ピッタのバランスは崩れやすいのです。ピッタの火のような性質は、激しく競争を好み、攻撃的です。火は私たちを暖めもしますが、焼き尽くすこともできます。ピッタタイプはやりすぎて燃え尽きてしまいがちなので、クールダウンを心がけましょう。

●クールダウン。 額もしくは首の後ろ側を冷やすことは、オーバーヒートしたピッタに役立ちます。熱いときにたくさん水分をとるのもいいでしょう。


パート2 ピッタを減らすダイエット



●増やしたいのは
冷たいもの
軽食
油分の少ない食べ物
甘いもの
苦いもの
渋いもの
オリーブオイル
ひまわり油
ココナッツオイル
適量の乳製品(ミルク、ギー、バター)
小麦、米、大麦、カラスムギ
甘いフルーツ(ブドウ、チェリー、メロン、アボカド、ココナッツ、ざくろ、マンゴ、オレンジ、パイナップル、プラム)
調理した野菜(たまには生野菜もOK)
ヒヨコマメ、ムング豆、大豆、金時豆

●減らしたいのは
精製した砂糖、穀類
熱いもの
オイリーなもの
辛いもの(チリ、マスタード、ペッパー)
酸っぱいもの
塩辛いもの
ごま油
アーモンド油
コーン油
酸味のある乳製品(ヨーグルト、サワークリーム、チーズ)
コーン、きび、ライ麦
酸っぱいフルーツ
オイリーなナッツ(特にカシューナッツ、ピーナッツ)

●食べ過ぎないように。 ピッタは食欲旺盛なので、食べ過ぎは消化器官に負担をかけます。

●落ち着いて、くつろいだ雰囲気の中で食事をとることはどのボディータイプにも大切ですが、ピッタにとっても重要です。「ながら食べ」は、心と体を目の前の仕事から遠ざけることになります。しっかり食事を味わって楽しむことが最高のダイエットです。食後はすぐに活動するより、消化の第一段階に集中できるようにリラックスしましょう。しっかり消化することは、体の健康のためにとても大事なことです。

●菜食。アーユルヴェーダによると、動物性たんぱく質をなるべくとらないことが健康的な食餌だと言われています。肉にはたんぱく質と共に多くの脂質が含まれています。たんぱく質をとると骨粗しょう症を引き起こします。精製していない穀類や野菜から十分たんぱく質をとることができます。動物性たんぱく質が消化されないと、アマ(消化されない固まり)を作り出すことになります。そしてアマが溜まると病気を引き起こします。なるべく肉食を控えることをお勧めします。

●カフェインは交感神経を刺激し副腎疲労を引き起こすので、ピッタタイプもカフェインの取り過ぎには注意しましょう。

●ギーを取り入れる。 日々の食事にギーを取り入れましょう。パンに塗ったり、穀物や野菜などの調理に使うことができます。ギーは精製した発酵無塩バターで、不純物の取り除かれたピュアな乳脂肪です。ただしコレステロール、中性脂肪の高い人、脂質代謝に問題のある人は避けましょう。

ピッタタイプに適した食事の割合は
たんぱく質30%、炭水化物50%、脂質20%


パート3 養生

●朝一番の湯飲。 朝、一杯の白湯を飲むことから一日をはじめましょう。この実践は蠕動運動(腸を空っぽにする結腸の筋肉の収縮)を促します。毎日続けるといい習慣です。

●静けさ。 ピッタの性質である熱は、静かなくつろぎ、黙想、瞑想を通して軽減され、やわらげられます。静かなくつろぎの時間を日々の生活に取り入れることは、刺激された交感神経を沈め、体を修復しリラックスさせる副交感神経を優位にします。

●昼食をメインに。 私たちの大半は日中仕事をしており、弁当を食べるか、さっと外食するかなので、昼食をしっかりとることはなかなか困難です。しかし、私たちの消化は11時から2時にもっとも強くなるので、昼にいちばんしっかりした食事をとるべきです。遅い時間に夕食をとった次の日の朝起きると、ピッタでさえおなかが重く、飽満感を感じた経験があるでしょう。食べたものはしっかり消化されていず、まだプロセスの途中なのです。これは、いつ、どれだけ食べたかとは何の関係もなく見えるようなさまざまな症状をひきおこし、将来的には、体の食べ物を処理する能力にたいへんな混乱をきたします。ですから、夜の食事は軽めに、就寝2時間前には夕食を終えるようにしましょう。

●休息。 現代は、多くの物事が私たちを興奮させ、動きに拍車をかけますが、頻繁に休息すると、私たちの体はもっと早く回復し、休んだあとにはより強さとスタミナをともなって活動できるようになります。ピッタタイプは限界を越えるまで活動しつづけます。一日のうち2,3度休息をとるようにすれば、明晰さは増し、イライラ感は減少するでしょう。

 ●エクササイズ。 ピッタはヴァータよりもさらに活発な運動が必要です。定期的に運動を楽しむと良いでしょう。屋外ではどのような天候でも大丈夫ですが、熱くなりすぎないように。運動後に疲れるのではなく元気になる程度に、適度に体を動かすように心がけましょう。くれぐれもやりすぎないように。歩くことはどのタイプにも適していますが、自転車、水泳などもいいでしょう。エアロビクスやウエイトトレーニングはピッタに合います。やりすぎなければ、肉体労働もいいでしょう。ピッタの火の性質は、休息もしきれないほど、自分に鞭打ってやりすぎてしまいます。ピッタは活動して、健康を維持する必要がありますが、だからといってやりすぎると、体を弱らせてしまいます。

●毎日のオイルマッサージ。 毎晩、眠る前に、温めたココナッツオイルを体に施しましょう。全身に、時間がなければ、足、手、おなかにオイルを塗ります。セルフマッサージの後に、暖かいお風呂に入ると、赤ちゃんのようにすやすや眠ることができるでしょう。

●早めの就寝。 早くベットに入ることはピッタにとっては、ちょっとたいへんかもしれません。ピッタタイプは疲れ果ててもやり続けるクセがあります。寝る前にくつろぎの時間をとることを自分に許さないので、適切な時間(それはだいたい10時ごろです)に寝ることができません。10時までに寝ることができれば、5時か6時に、もっとリフレッシュして起きることができます。これはどのタイプにも大切なことですが、ピッタにとっても例外ではありません。神経系統は十分な休息と睡眠を取ったときに、癒されるのです。


パート4 健康と幸福のためのエクササイズ

●瞑想。 毎日瞑想を行うことは生活に満足感と平安をもたらす手助けをします。精神にとっての解毒作用です。色々な瞑想法があるので、あなたのライフスタイルや性質にあったものを探して、ひとつふたつ、習ってみるとよいでしょう。

●怒らず、憂えず。 私たちにとってこんなことは不可能にみえますが、心配したり、動揺したりする状況はできるだけ避けたいものです。もしも、今の仕事が怒りや動揺を引き起こすようなら、他の仕事を探す必要があります。いつも経済的な不安があるなら、ストレスを減らすために諸経費を削減する必要があります。誰かに腹を立てているなら、彼らを許す必要があります。怒り、動揺、不安は体に不調和を作り出し、状態を悪化させます。

●許すこと。 「許し」はどんな薬よりも効果があります。腹の立つ人々を許すことほど役に立つことはありません。たとえ、彼らが懲罰に値すると信じていてもです!「憤り」はそれがどこに向かおうと、病気を引き起こします。ヒーリングとは許すことを意味します。許すことはヒーリングです。許しはヴァータとピッタの作用を減らします。許すことはいつも簡単にできるわけではありませんが、幸福のためには必要不可欠です。

●夜間の活動を避ける。 夕方に何かし始めると、何をしているかにかかわらず、心や感情は最後までやり遂げるという意志でいっぱいになります。これはヴァータとピッタの作用を高め、眠りにつくのを妨げます。睡眠中も良く眠れないことが、しばしば起こります。激しい活動は控えて、夕方からはくつろぎの時間にするようにしましょう。

●ヨガ。 ヨガのエクササイズは、心と体を調和させます。どのドーシャタイプにも適しています。あなたの人生に是非ヨガを取り入れましょう。

●太陽礼拝。 太陽礼拝と呼ばれるヨガのポーズは、素晴らしい一日の始め方です。無理をしないでゆっくり行えば、これらのポーズは、全身に柔軟さと強靭さをもたらし、誰でも効果を実感できるはずです。まずは太陽礼拝を6セット始めてみましょう。

●生理日の休息(女性の方) アーユルヴェーダによると、生理の1日目2日目に休息することは女性にとって大切なことです。完全に休息することが無理なら、この間はできるだけ仕事を減らしたいところです。私たちの住む現代社会ではこれは難しいことかもしれません。雇い主はたいがい、私たちが仕事をしないで家にいて休むことにいい顔をしませんが、それでもできる範囲で、休めるときにはなるべく休みましょう。


            ~アーユルヴェーディックダイエットより




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